千葉県銚子市のローカル鉄道「銚子電鉄」は、関西の大手私鉄・南海電鉄から譲り受けた1969年製の中古車両「銚子電鉄22000形」(旧・南海電鉄2200系、2両編成)の運行を今春開始しました。千葉日報カルチャーではこれに先立ち、出発式の様子を取材しました。
譲り受けたのは南海電鉄が1969年、高野線の山岳区間を走るため作った車両です。
銚電としては、新車両の導入は8年ぶりで、「中古の中古ではない中古の車両」の導入は実に約30年ぶり。昨年8月の譲受後に、架線電圧の降圧に対応するための関係機器の改造工事などを進めていました。
出発式で竹本勝紀社長は、「いわゆるシニアモーターカーとして、地域の皆様に愛されるべく、愛情込めて整備をして大切に運用したい」。南海電鉄の梶谷知志鉄道事業本部長は、「新天地・銚子で活躍するということで、色々なお客様にかわいがっていただき、銚子の地で調子よく走ることを期待したい」と話しました。
新車両導入の背景には、既存車両が老朽化し、部品の調達が困難になったことが挙げられます。新車両の導入に合わせ、「大正ロマン電車」などとしても親しまれていた老朽化した車両「2001F」が引退しました。
キャベツ畑を彷彿とさせる緑色に塗り直された新車両は、往年の南海電鉄車両の色を再現しています。懐かしい雰囲気を楽しみたいという関西からの観光客増加にも期待がかかります。
千葉日報カルチャーでは、報道陣に公開された出発式当日の様子や、車内・車窓の景色、新車両に関する解説を加えた特別番組を配信中です。