2024年は能登半島地震が発生したほか、千葉県内でも地震が頻発しました。首都直下地震や南海トラフ地震のほか、気候変動に伴う風水害の発生も懸念される中、防災への関心が高まっています。
「一般的な地図の使い方は教わるものの、ハザードマップの読み方を知る機会は意外と少ない」と、語るのは、千葉科学大学の藤本一雄教授(副学長)。自然災害の防災・危機管理の研究を進めている藤本教授は、被害軽減や防災のため、ハザードマップを理解する重要性を訴えています。
◆注目すべき「想定条件」
防災関係の情報を示した地図「ハザードマップ」。実は、確認する上でかなり重要となるのは「想定条件」です。
ハザードマップには、災害の規模や発生場所の想定が記載されています。もちろん、ハザードマップ自体の精度は高いものの、災害は往々にして、想定を超えて発生することがあります。藤本教授は「示された災害のレベルは最低限のレベル、このくらいの災害は起こりうるもの、と考えてほしい」と語り、リスクに備える重要性を訴えています。
また、ハザードマップでは、各地域が一定の大きさの「メッシュ」ごとに細分化されており、色が濃くなるほど危険度が高くなるという仕様になっています。暗い色ほど危険度が高いことにも注意が必要です。
藤本教授は、地震について「いつ、どこで震度6強の地震に襲われてもおかしくないと考え、耐震化や家具の転倒防止などの予防策をとっていくことが重要」と指摘。また、津波・洪水、土砂災害は、危険な場所が予めハザードマップに示されており、「最善策は住居移転・立地の回避」(藤本教授)となります。とはいえ、現実的に難しいのであれば、次善策としては緊急時の避難となるため、避難のタイミングなどについて事前に検討しておくことが重要といいます。
ハザードマップには地震、津波・洪水、土砂災害といった自然災害の情報が詳細に掲載されています。千葉日報カルチャーでは、藤本教授がハザードマップの役割や活用方法について詳しく解説する無料講座を掲載中です。